寺田親弘
Sansan株式会社 代表取締役社長

Sansanの経営は私にとっての主戦場です。しかし自分が持つリソースを使って「Sansanとは違う社会貢献ができないか」とずっと考えていました。Sansanでの採用活動で優秀な高専生が数多くいることを知りましたし、中学卒業時点で専門技術を5年かけて究めるという彼らの覚悟には目を見張りました。高度成長期のものづくりを支えた高専をアップデートできれば、今まで以上の学びの場になると感じています。「神山まるごと高専」では、従来の高専のようにテクノロジーの理解や習得に力を注ぐ一方、アートやデザイン、マインドフルネスなどもカリキュラムに加える予定です。しかし、大事なのはこれらの学びを目的にするのではなく、刀のように自分の武器として扱い、どのような環境でも自由に駆け回り、生き抜いていくこと。「神山まるごと高専」の設立は、順調なら2023年、最初の卒業生が生まれるのは2028年です。変化が激しくなる時流のなかで「2028年にはどんな社会課題が生まれているか」を正確に予測するのは難しいもの。だからこそ、どんな時代であっても自ら課題を考え、決断し、動ける「野武士型パイオニア」を輩出することが大きな意義になると信じています。